Annual ARC Industry Forum Asia 2023 Japan Program
デジタル化を通じて持続可能性、エネルギ転換、パフォーマンス改善を促進

2023年 6月20日(火)東京・両国 KFC Hall & Rooms 3F フロアで開催 2023年 7月12日(水)- 13日(木) インド・バンガロールで開催

Accelerate Industrial and Municipal Transformation

ARC フォーラムが4年ぶりに東京に戻ってまいりました。

ARC アドバイザリグループは、日本における今年の ARC フォーラムを、6月20日(火)に東京・両国の KFC Hall & Rooms を会場に開催いたします。本イベントは、社会インフラと製造オートメーション分野における情報共有と人のネットワーキングを実現する場としてご活用いただけます。

ARC 東京イベントはまた、アジア・太平洋域を対象とする ARC アジアフォーラム第3回の活動の一部であり、7月12日(水)から13日(木)には、インドのバンガロールにても開催いたします。アジアフォーラムとしては、オーストラリア、ニュージーランドから日本、韓国、中国本土、台湾、シンガポールを中核とする東南アジア、インド、パキスタンに至るアジア圏を市場とした社会インフラと製造オートメーションのユニークなイベントとなります。

日本における6月の東京イベントは、7月のインド・バンガロールのイベントとともに、8月からは、それぞれのイベント会場で収録されたビデオが登録者に対してネット上で視聴可能となります。

今年の ARCフォーラムのテーマは、「デジタル化を通じて持続可能性、エネルギ転換、パフォーマンス改善を促進」("Driving Sustainability, Energy Transition, and Performance through Digitalization") です。

主要な議論テーマは次のポイントです。

  • 製造、社会インフラ分野の各社は、IoT を技術ベースとするインダストリ4.0とデジタル変革への取組みを通じて様々な課題解決に取組む中で、効率、品質、生産性、安全性の向上面でどのような成果を上げているでしょうか。
  • コロナ禍の環境下で生産を維持する必要から、デジタル技術の導入が加速しました。では、保全リモート会議、遠隔監視・遠隔制御、ドローンをはじめとするロボティクス技術の導入、 AI /高度分析による工程やプラントの自律運転など製造のスマート化はどこまで進んだでしょうか。
  • 自然災害やパンデミック、ウクライナ戦争など地政学的リスクに晒されるたびに分断されるサプライチェーンを再検討する機運が高まりました。では、事業継続のためのサプライチェーンの強靭化はどこまで進んでいるでしょうか。
  • 現場のデータ分析から有効な知見を得るためのツールや、プラントのライフサイクルを効率的に管理するツールの導入とともに、オペレーション現場でデータを生かす人材の育成も急務です。産業各社は各種ツールの導入とともに要求されるデジタル人材育成にどのように取り組んでいるでしょうか。
  • 従来の製造業を革新すると期待されるオープン・プロセス・オートメーション(OPA)、モジュラープラント、イーサネット APL や 5G 無線といった革新技術の開発と実用化はどこまで進んだでしょうか。
  • コネクテッドの現場環境に最新のサイバーセキュリティ対策は事業継続の必須要件です。産業サイバーセキュリティ対策の運用・管理はサーバー脅威に対してどこまで対応できているでしょうか。
  • デジタル変革先行企業では次なる課題として、新たな事業の開発と実装が目前のテーマとして迫っています。新たな事業モデルや新規事業の生成に向けた取組の要件は何でしょうか。

これに加えて、地球規模の持続可能性を巡って、脱炭素とカーボンニュートラル、再生エネルギへの転換、循環経済への取組が各企業ごとに問われる時代に突入しています。真剣な取組みによる成果を積上げ、社会に公開できなければ、今後の企業運営と国際競争力が損なわれる時代を迎えています。個社の取組みには限界もあり、関連企業との提携を探り、地域連携を進め、国や業界団体のプログラムと連携しこれらを有効に活用する必要があります。

日本の製造業のこれからの進路を探り、世界の先進事例を学び、気付きを得る機会として、またデジタル化のさらなる推進と持続可能性の取組みをともに継続する議論の場、ネットワーキングの場として、ARC フォーラムをご活用ください。
 

アジアフォーラム全体プログラム(英語)は次のリンクを参照ください。:

ARC Industry Forum Asia 2023

 

6月20日のプログラム

(詳細は、順次追加掲載いたします。)

 目次
9:10 開幕
 

Session 1: (基調講演)デジタル変革の次のステップと持続可能性

9:20-9:40「住友化学における DX の挑戦 ~データドリブン組織の実現に向けて~」
   住友化学株式会社 デジタル革新部長 金子 正吾 氏
 Session 2: デジタルツインとプラントデータ管理
9:40-10:50

「AGC 化学品カンパニーにおけるデジタルツイン戦略」
   AGC株式会社 化学品カンパニー経営戦略本部DX推進室 室長 本庄  哲 氏
        同 技術企画グループ グループリーダー 石井  崇則 氏
 

「DX 推進に向けたデータ活用〜戦略的資産としてのプラントデータ活用〜」
   アヴィバ株式会社ソリューション営業本部ソリューション戦略部長
    実田 正弘 氏

 Q&A 

10:50-11:05

(休憩)

 

Session 3: AI 活用とスマートプラントの実現

11:05-12:45

「AI シミュレータを活用した材料開発DXの取組み」
   ENEOS株式会社 中央技術研究所 デジタル研究所 MI技術グループ
    グループマネージャー  尾野  秀樹 氏


「AI  制御によるプラント自動運転」
   株式会社ENEOSマテリアル 生産技術本部生産技術本部長 兼
    生産技術部長 桝谷 昌隆 氏
   横河デジタル株式会社 DXサービス事業部事業部長 小渕 恵一郎 氏
 

「プロセスインフォマティクスに向けた産総研『MPI プラットフォーム』、
 NEDO プロジェクト『iFactory』の取り組み」
   産業技術総合研究所 触媒化学融合研究センターデジタル駆動化学チーム
    主任研究員 増田 光一郎 氏
   株式会社 iFactory 取締役 宇野  達朗 氏

 

Q&A

12:45-13:30

昼食

 Session 4: 持続可能性をめぐる特別講演
13:30-13:55「エネルギー転換を支援するデジタルソリューション」
   エマソン・オートメーション・ソリューションズ  アジアパシフィック地区
    脱炭素及びサステナビリティ事業ディレクター
    マーティン・ファン・デル・メルヴェ(Martin Van Der Merwe) 氏
 

(休憩・移動)

 

Session 5: ワークショップ I

Session 6: ワークショップ II
14:15-14:55

「実務者から見たサイバーセキュリティのインサイト」

クラロティ アジア太平洋・日本地区営業部ソリューションエンジニア 
    加藤 俊介 氏

「設計図面からはじめるエンジニアリング DX」

横河電機株式会社デジタルソリューション本部システム事業センター新事業開拓部 CX ソリューション課企画・開発担当
    奥山  伸 氏

14:55-15:10

(休憩・移動)

15:10-15:50

「Hexagon の製造業向け Smart Digital Reality」

Hexagon Asset Lifecycle Intelligence division シニアインダストリコンサルタント 末定 啓介 氏

Hexagon Asset Lifecycle Intelligence division シニアセールスアカウントマネージャー, HxGN EAM 横田  和弘 氏

ARC フォーラム2023 の話題から
(ビデオ紹介) 

 

(1)OPA (ExxonMobil)

(2)ARC市場調査とデジタル変革 Top 25 

15:50-16:05(休憩・移動)
 Session 7:【SICE-ARC パネル討論】
16:05-17:25

「DX(デジタル変革)と持続可能性の視点から将来の生産のあり方を探る」

  モデレータ:(公社) 計測自動制御学会 SICE (元)会誌編集委員長/産業応用部門長
     (前)東洋エンジニアリング株式会社 鈴木   剛 氏

  パネリスト:早稲田大学 理工学術院 機械科学・航空宇宙学科 教授 天野 嘉春 氏

     出光興産株式会社 生産技術センター エンジニアリング室計装制御グループ
     主任部員 小濵 徹也 氏

     日揮グローバル株式会社プロセスエンジニアリング部
     LNG Process Chief Engineer 角谷  謙 氏

     日本エマソン株式会社 システム&ソフトウェアソリューションズ
     ビジネスユニット・コンサルティングGr.
     シニアコンサルタント 江本 源一 氏

     アズビル株式会社 GX 推進部 副部長
     データ利活用関連事業開拓リーダー 髙井  努 氏

17:25-17:40(休憩・移動)
17:40-19:10レセプション
19:10閉幕

(  プログラムは講演テーマ、時間枠構成に変更の可能性がありますのでご了承ください)

 
 

講演者・講演要旨    

 ARC アジアフォーラム 2023 日本イベント
(敬称略、順不同)

 

金子 正吾(Shogo Kaneko) 住友化学株式会社 デジタル革新部長 

Shogo Kaneko【講演者紹介】 金子氏は2003年、住友化学入社。大学専攻は化学工学、博士(工学)。入社以来、13年に渡りプロセスエンジニアとして製造技術、プロセス開発に従事。2016年より3年間、本社生産技術部にて工場生産部門のDX(スマートファクトリー)を企画推進。2019年より現職にて全社DXプロジェクトとデータ活用による価値創出を推進。

【講演要旨】住友化学グループは、持続的な価値創出のため経営として取り組む重要課題の一つに「DXによる競争力強化」を掲げている。その実現に向け、データを活用することにより、ビジネスプロセス変革による競争力向上やビジネスモデル変革による事業創出を目指している。本講演では、データドリブン組織の実現に向けた当社の挑戦についてお話させていただく。

 

マーティン・ファン・デル・メルヴェ(Martin Van Der Merwe) エマソン・オートメーション・ソリューションズ  アジアパシフィック地区 脱炭素及びサステナビリティ事業ディレクター 

Martin Van Der Merwe【講演者紹介】 マーティン氏は、エマソンのオーストラリア及びニュージーランド地区のサービスサポート組織の管理し、その後アカウント統括やビジネス開発を経て、エマソン同地区のシステム及びソフトウェア事業のビジネスディレクターに就任。在職中、複数のクリーンエネルギー及びサステナビリティ関連プロジェクトの実行をリード。現在はエマソンアジアパシフィック地区の脱炭素及びサステナビリティビジネスのビジネスディレクターとして、アジアパシフィックの顧客を含む業界パートナーのサステナビリティ目標達成を支援するオートメーションやソフトウェアの導入をリードする。

【講演要旨】持続可能且つ脱炭素化の未来に向けたエネルギー転換は世界的な急務である。この転換を効果的かつ効率的に達成するには、デジタルソリューションの統合が不可欠になっている。このセッションでは、より効果的なエネルギー転換を加速するためにデジタル オートメーション テクノロジーが果たす革新的な役割に焦点を当て、AIと機械学習による現実世界のモデリングが、ビジネスチャンスを最大化する既存および新規のエネルギー利用の転換において段階的変更の決定を下すための強力なツールとして果たす役割について説明する。また、これらのモデルや分析ツールがその役割を果たすために必要なデジタル データ ストリームを促進するために、オートメーションソリューションが果たす重要な役割について検討する。これらのオートメーションプラットフォームはオープンであると同時に、安全でユーザーにとって直観的であり、他のシステムと効率的に統合できるものである必要がある。これにより、信頼性が高く正確なデータ生成センサーや ワイヤレス センサーがエネルギー転換の過程で行うビジネス上の意思決定を可能にする情報を提供することができることについて説明する。

 

尾野 秀樹(Hideki Ono) ENEOS株式会社 中央技術研究所 デジタル研究所 MI技術グループ グループマネージャー 

Hideki Ono【講演者紹介】尾野氏は2002年ENEOS株式会社に入社後、石油精製触媒、分離材料、電池材料の研究開発や新規プロセス開発等に従事。2018年からシミュレーション等のデジタル技術を活用する業務に転じ、Preferred Networks 社とのAIシミュレータ共同研究と事業化に参画。2021年に同社との合弁会社 Preferred Computational Chemistry に出向して事業立上げと営業に従事後、2022年4月から現職。

【講演要旨】ENEOS株式会社では脱炭素・循環型社会の実現に向けて、触媒・潤滑油・機能材等の研究開発を行っている。これら材料開発を加速するためのデジタル技術活用の取組み、特に原子レベルで高速に物性を予測するAIシミュレータの活用につき事例を交えて紹介する。

 

桝谷  昌隆(Masataka Masutani) 株式会社ENEOSマテリアル 生産技術本部生産技術本部長 兼 生産技術部長

Masataka Masutani【講演者紹介】桝谷氏は、1998年 JSR株式会社に入社後、プロセス開発、プラント設計、製造スタッフを経験。2011年から生産技術チームリーダー、その後、生産技術部長として工場運営を担当。2016年からはドローンや AI を化学プラントに取り入れる製造スマート化に携わる。2022年4月のJSR エラストマー事業を分割譲渡に伴い、株式会社ENEOSマテリアルに転籍、同社生産技術本部長を務める。

【講演要旨】 化学プラントは、従来より、遠隔化・自動化が進んできた産業分野の1つであるが、オペレータ―が常時介在して運転操作を必要とする工程が一定数存在する。今回、労働生産性、エネルギー効率、品質の視点から自動化が有効と考えられるプロセスに対し、AI技術を適用して自動化を達成した事例について、その適用過程や結果を述べる。

 

小渕 恵一郎(Keiichiro Kobuchi) 横河デジタル株式会社 DXサービス事業部事業部長

Keiichiro Kobuchi【講演者紹介】小渕氏は、1987年横河電機株式会社入社後、デジタルオシロスコープ、工業用記録計の開発、データアクイジション機器向けソフトウェアやフィールド機器向け設定調整ソフトウェアの開発およびフィールド通信などの国際標準化活動に従事。2013年ごろから、独自AI開発する部署をリードし、AIデータ解析、AI制御に挑戦してきた。2022年 横河デジタル設立に伴い現職を務める。

【講演要旨】 株式会社ENEOSマテリアル様のプラントに適用された制御用AIに関して開発の概要をお話しした上で、今回の実証についてベンダ視点の意義や苦労した点などについてお話しする。更に、将来構想についても簡単に紹介させて頂く。

 

本庄  哲(Tetsu Honjo) AGC株式会社 化学品カンパニー経営戦略本部DX推進室 室長

Tetsu Honjo【講演者紹介】本庄氏は、AGC化学品カンパニー国内外生産拠点の計装/制御システムエンジニアとして保全・建設・操業管理に携わり、その後 生産拠点工場長やAGCコーポレート経営企画部戦略企画室などマネジメントや経営戦略業務を担当。2017年から化学品カンパニーのデジタル活用によるスマートファクトリー実現への企画立案と実行組織を構築、2019年から化学品カンパニーDX推進室を発足、デジタル技術・情報活用の各種企画の立案と遂行を統括。

【講演要旨】 AGC化学品カンパニーでは生産プロセスのDXを「見える化」「わかる化」「変わる化」の3ステップで進行中である。化学プラントにおける様々な活動をデジタル化し可視化や高度分析を行う「デジタルツイン」の取り組みを紹介する。

 

石井 崇則(Takanori Ishii) AGC株式会社 化学品カンパニー経営戦略本部DX推進室 技術企画グループ グループリーダー

Takanori Ishii【講演者紹介】石井氏は、2019年よりAGC化学品カンパニーのDX推進室にてデジタル技術を用いた業務改革を担当し、情報収集・蓄積・活用の基盤となるシステムの企画・導入を数多く手掛ける。石油化学・化学品プラントのEPCプロジェクトマネジメントの経験が長く、エンジニアリング業務のデジタル化による生産性向上にも携わる。

【講演要旨】 AGC化学品カンパニーでは生産プロセスのDXを「見える化」「わかる化」「変わる化」の3ステップで進行中である。化学プラントにおける様々な活動をデジタル化し可視化や高度分析を行う「デジタルツイン」の取り組みを紹介する。

 

増田 光一郎(Koichiro Masuda)産業技術総合研究所 触媒化学融合研究センターデジタル駆動化学チーム主任研究員

Koichiro Masuda【講演者紹介】増田氏は、2010年東京大学理学部化学科卒。2012年東京大学大学院理学系研究科修士課程修了、2015年同博士課程修了。理学博士。大学・大学院では有機合成化学を専攻。在学中は様々な有機合成反応・触媒の開発のほか、懸濁液中で進行する化学反応を定量的にモニタリングする分析手法の開発を行った。連続生産の分野においては、特に固体触媒を用いたフロー精密合成に関して精力的に研究を進めており、業界を牽引する若手として論文多数を出しているほか、総説論文も執筆している。2019年に博士研究員として産総研へ入所、フロー合成のエキスパートとして様々な反応の開発に従事。2022年4月より現職。

【講演要旨】 国際的に高い水準を有している我が国のマテリアル産業は、今後も産業競争力を維持しつつ、世界を牽引していくことが期待されている。特に新たな競争力を有するマテリアルを開発するためには、試作や評価を進めつつ、各処理行程においてもデータを取得・解析してプロセス技術の更なる高度化を行うデータ駆動型材料研究開発の整備が必要である。産業技術総合研究所では、最先端の製造プロセス装置や評価・分析装置群を材料・化学領域の3か所の研究センターに導入し、マテリアル開発や実装に必要なプロセスデータの取得、技術シーズ・ニーズへの対応や人材育成に関わる機能を総合的に提供するマテリアル・プロセスイノベーション(MPI)プラットフォームの整備を進めている。このうちつくばの触媒化学融合研究センターに設置された触媒拠点では、触媒と情報科学の融合、すなわち触媒インフォマティクスの重要性を認識し、インフォマティクスによる触媒開発に世界に先駆けて着手している。本講演では、触媒拠点での取り組みのうち、精密化学品の合成および後処理プロセスに関わる部分についてご紹介する。

 

宇野 達朗(Tatsuro Uno)株式会社iFactory 取締役

Tatsuro Uno【講演者紹介】宇野氏は、1980年電気通信大学電波通信学科卒。同年株式会社横河電機製作所に入社。オフィス機器、計測システムの開発、自身の開発した製品のエンジニアリング、営業をつとめ、その後計測器の販売、リチウムイオン電池開発用ソリューション、エネルギーマネージメントシステムの企画、開発、販売など常に新規ビジネスに従事。営業部長、マーケティング部長、開発部長を経験し、2013年から営業本部副本部長、豊田支店長を務めた。2017年高砂ケミカル齊藤社長の情熱にほだされ、医薬品・高機能化学品の連続生産ビジネスに足を突っ込む。以来6年間、NEDOプロジェクト、普及活動、システム取りまとめに奔走、現在に至る。2023年3月株式会社iFactory 取締役就任。

【講演要旨】 2018年から進めているNEDO戦略省エネ革新プログラム「iFactory」は、本年2月7日高砂ケミカル掛川工場での竣工式を迎え、最終評価であるプロセス実証、省エネ評価を進めている。本講演ではプログラムの最新状況を解説するとともに、2022年度産業総合技術研究所にMPIプラットフォームとして納入した「iFactory Trigger」を紹介する。また、商用システム実装に向けた「iFactory」、「iFactory Trigger」を使った手順、運用開始へのステップについて、最後に今後の課題、展望などについても紹介する。

 

実田 正弘(Masahiro Jitsuda)アヴィバ株式会社ソリューション営業本部ソリューション戦略部長

Masahiro Jitsuda【講演者紹介】実田氏は、化学工学の修士号を持ち、プロセスシミュレーション関連技術に関するエンジニアおよびセールスとして30年近い業界経験を有する。AVEVAでは、ソリューション戦略部長として、プロセスシミュレーションを含め、エンジニアリングとオペレーションの全てのポートフォリオをカバーし、主にプロセス産業の顧客でのDXやデジタルツイン導入支援を通してビジネス開発に従事している。

【講演要旨】 プラントにおけるデータを戦略的資産として活用するには、データをプロダクトとして管理することが求められる。本セッションではPI Systemの価値と利活用のためのステップ、更にはデータ活用の課題と解決法、事例等を紹介する。加えて、将来期待されているインダストリアルメタバースに関するAVEVAの取組みにも触れる。

 

加藤 俊介(Shun Kato)クラロティ アジア太平洋・日本地区営業部 ソリューションエンジニア

Shun Kato【講演者紹介】加藤氏は、国内大手化学メーカーにて計装機器・制御システム設計エンジニアとして3年、海外大手制御機器メーカーにて安全計装システムのエンジニアとして4年、国内外の産業システムに係るプロジェクトに従事。また2021年8月から産業サイバーセキュリティのプロジェクトも担当。

【講演要旨】 持続可能性、エネルギ転換、パフォーマンス改善を促進するために、産業用システムもよりITシステムなどと接続されていき、産業サイバーセキュリティ対策はデジタル化のための土台として必須となってきている。産業用システム独自の特性や課題を整理した上で、クラロティがこれまで8000以上の工場・プラントにおいて産業サイバーセキュリティプロジェクトに関わってきた経験を元に、具体的な対策の取り組み内容をご説明する。

 

末定 啓介(Keisuke Suesada) Hexagon Asset Lifecycle Intelligence division シニアインダストリコンサルタント

Keisuke Suesada【講演者紹介】末定氏は、千代田化工建設株式会社にて、海外オイルターミナルコンプレックス、医薬品製造所、アミューズメントパークのライドアトラクションなどの設計・建設に携わり、プロジェクト遂行、製造管理システム・制御システムの設計、システムインテグレーションを担当。また、システムソリューション事業担当としてプラントのO&Mに携わり、石油・石油化学・電力・化学会社向けにEAM・APMシステムの導入を15年にわたり主導した。近年は、DX事業のプロダクトオーナーとして、LNGプラントおよび製油所向けのAI製品開発を統括してきた。2022年4月 Hexagon ALI部門に入社、シニアインダストリコンサルタントとしてオーナーオペレータ向けのシステム導入に参画、現在に至る。

【講演要旨】 HexagonのSmart Digital Realityは、データを最大限に活用することで、自律的な意思決定とアクションを可能にする。ワークショップでは、製造業のデジタル変革の取組みにおけるプラントライフサイクルの効率的なマネジメント、および、安全性向上に不可欠なヒューマンパフォーマンスの最大化に焦点をあてたソリューションを紹介する。

 

横田 和弘(Kazuhiro Yokota) Hexagon Asset Lifecycle Intelligence division シニアセールスアカウントマネージャー

Kazuhiro Yokota【講演者紹介】横田氏は、日本アイ・ビー・エム株式会社に36年在籍し、主に製造業を中心としたお客様を営業担当してきた。ERP、SCM、MES、EAM、アウトソーシングサービスなど広範囲のソリューションを提案提供してきた。後半ではAPM事業、スマートシティー事業やAI事業、クラウド事業等の立ち上げに参画し、BDE(Business Development Executive)として広範囲な業界のお客様にソリューションを提案提供。2021年1月にIFS社に入社、ERPやEAMを担当後、2022年6月 Hexagon ALI部門に入社、シニアセールスアカウントマネージャーとして 日本企業へのHxGN EAMの営業を担当、現在に至る。

【講演要旨】 HexagonのSmart Digital Realityは、データを最大限に活用することで、自律的な意思決定とアクションを可能にする。ワークショップでは、製造業のデジタル変革の取組みにおけるプラントライフサイクルの効率的なマネジメント、および、安全性向上に不可欠なヒューマンパフォーマンスの最大化に焦点をあてたソリューションを紹介する。

 

奥山 伸(Shin Okuyama) 横河電機株式会社デジタルソリューション本部システム事業センター新事業開拓部CXソリューション課企画・開発担当

Shin Okuyama【講演者紹介】奥山氏は、2008年横河電機に入社。本社及び海外開発拠点にて生産制御システムの数々のソフトウェア開発プロジェクトに従事。近年は、オントロジー、データモデリングやクラウドなどの技術を活用した新商品企画・開発をリードしている。

【講演要旨】 製造プラントの設計において、図面や仕様書はデジタル化されているが非構造化データのままであり、個々のスキルや感覚に依存している部分も多く、特に部門間での情報交換には人の介在が必須であるのが実情である。デジタル技術の活用による効率的なエンジニアリングチェーンの構築には多くの発展の余地を残している。本ワークショップでは、P&IDなどの設計図面情報の効率的な受け渡しを事例を交えて紹介する。

 

(講演者情報は順次、追加いたします。)

 

【SICE-ARCパネル討論】

【テーマ】「DX(デジタル変革)と持続可能性の視点から将来の生産のあり方を探る」

【開催趣旨】SICE-ARCパネルでは、“プラントの安全と計装の関わり”、“デジタル変革とデジタルツイン“、“人とシステムの協調やAI”の話題を取り上げて将来のプラントのあるべき姿を議論してきた。生産現場ではDXの取り組みが広がっているが、昨今急速に産業社会の解決すべき課題として持続可能性の問題、特に脱炭素やエネルギ転換・エネルギの有効活用・リサイクルの動きが加速しつつある。将来に向けて生産/保全に関する観点に加えて、持続可能性の課題も含めてより広い視点から議論することが有効と考え、今回はDXとエネルギ管理の問題を中心に取り上げようと企画した。本パネルでは、エネルギーシステムおよび関連装置の高効率化と全体最適化のためのモデリング手法開発などを研究されている早稲田大学天野先生をお迎えし、現状の製造業の課題や今後の展望をお話頂いた上で、いくつかの企業でのデジタル化による操業や運転の効率化、エネルギ管理などの取り組みの例をご紹介いただきながら、今後のプラントが製造現場でのDXと持続可能性の視点にどのように取り組むかを議論する機会としてみたい。


【モデレータ紹介】
鈴木 剛(Go Suzuki) (公社) 計測自動制御学会(元)会誌編集委員長/産業応用部門長(前)東洋エンジニアリング株式会社

Go Suzuki

   鈴木氏は、1973年 東洋エンジニアリング入社。プロセス設計部門にてエチレンなどの石油化学プロセスを担当、その後、プロセス技術部門でプロセスシミュレータ、石油化学プラントの省エネルギー改造などを実施。1985年米カーネギーメロン大学研究員。1986年プロセス技術部門、情報システム部門などにおいてプロセスシミュレータ、トレーニングシミュレータ、APC、プラント改造などを担当。2003年計装設計部門にてプロセスプラントに付帯するシステム(トレーニングシミュレータ、APC 等)を取り扱う。2008年技術部長(プロセスプラント付帯システム担当)、化学工学プロセス設計の非常勤講師などを行う。2015年東洋エンジニアリング退職。SICE 会員、SICE 計測制御エンジニア。

 

 【パネリスト紹介】
天野 嘉春(Yoshiharu Amano)早稲田大学 理工学術院 機械科学・航空宇宙学科 教授

Yoshiharu Amano

   天野氏は、1998年3月 博士(工学)早稲田大学 取得。1998年-2002年早稲田大学理工学総合研究センター 講師。2002年-2008年 早稲田大学理工学総合研究センター助教授(准教授)。2008年-2009年 スイス連邦工科大学ローザンヌ校 客員教授。2008年から現職。現在は,エネルギーシステムおよび関連装置の高効率化と全体最適化のためのモデリング手法開発や,システム評価・設計論を研究。ロボティクスに係わる分野では,高精度自己位置評定技術を基盤とした各種センサーシステムの開発と,屋外自律移動にかかわる研究を行っている。また,フィールドコムグループ,プロフィバス協会 のIO-Link コミュニティジャパン,FDT グループ日本支部 の3 つの主要な業界団体と協力して構成する産業用オープンネットワーク・ラボラトリ(IONL)代表を務めている。IEC (国際電気標準会議) TC65/JWG14 および JWG17 エキスパート。エネルギー・資源学会、米国機械学会(ASME)、計測自動制御学会(SICE)、日本機械学会などに所属。

 

小濵 徹也(Tetsuya Kohama) 出光興産株式会社 生産技術センター エンジニアリング室計装制御グループ 主任部員

Tetsuya Koham

   小濵氏は、1996年に出光興産(株)入社。国内外の石油精製、石油化学プラントの制御システム開発やDCS更新業務に従事。2013年からベトナムにおける製油所建設PJへ計装・制御システム関連のシニアエンジニアとして参加。2017年製油所スタート後、保全部門で計装設備の信頼性向上を担当。2019年から現職、計装システムの機能安全に関する検討やCNXに関連する装置の建設業務に携わっている。

 

角谷  謙(Yuzuru Kakutani)日揮グローバル株式会社プロセスエンジニアリング部 LNG Process Chief Engineer

Yuzuru Kakutani

   角谷氏は1980年日揮(株)入社。プロセス エンジニアリング部所属。LNG Chief Engineer。技術理事。長年にわたりガス精製 & LNGプラントに従事する。21世紀以降の日揮の手掛けた全LNG Plantの性能試験に立ち会い、様々なトラブルシューティングを完遂する。Gastech 2022 および LNG 2019 conference のtechnical committeeを勤める。趣味はサッカー指導とゴルフ。サッカーの教え子には世界一になったナデシコJPNの選手がいる。

 

江本 源一(Genichi Emoto)日本エマソン株式会社 システム&ソフトウェアソリューションズ ビジネスユニット・コンサルティングGr. シニアコンサルタント

Genichi Emoto

   江本氏は1985年三菱化成工業(現三菱ケミカル)入社。水島事業所・施設部計装Gr.に配属され、プロセスコンピュータの導入・制御システムの開発などに従事。その後、生産技術センターに移り、エチレンプラント高度制御システム導入プロジェクトなどを担当。その後、技術部・最適化技術Gr.マネージャー、水島事業所・プロジェクト推進室長などを務め、2013年より三菱ケミカルエンジニアリング・本社電計情報システム部に移り、全社エネルギー最適化プロジェクトなどに参画する。2021年三菱ケミカルエンジニアリングを退社し、日本エマソンに入社。現在はプロセス制御・省エネコンサルティングなどに従事。2007年に数理最適化の分野にて博士(情報学)取得。計測制御自動制御学会(SICE)所属。

 

髙井 努(Tsutomu Takai)アズビル株式会社 GX 推進部 副部長 データ利活用関連事業開拓リーダー

Tsutomu Takai

   髙井氏は、1990年に山武ハネウエル(株)(現、アズビル(株))に入社。主に工業市場向けシステムビジネス企画およびシステム商品企画を担当。2019年、AIを専開とする研究開発組織の発足に合わせ異動し、新組織立ち上げとAI関連事業企画を担当。2022年からはさらに新設の現組織に異動。同社が3つの成長領域の1つとして掲げる「新オートメーション」事業の企画業務に従事。従来のオートメーション技術だけでは対応の難しい、お客様の現場における様々な事業環境変化への対応力向上となる技術および事業企画を担当する。この他、現在、日本プラント・ヒューマンファクター学会長、日タイ・スマート保安コンソーシアム幹事、市原市石油コンビナート保安推進検討委員などを務める。

 

 

参加要領・登録

参加登録は下記をクリックして登録フォーマットにお進みください。 

ARC アジアフォーラム 2023 日本イベント参加申込

 

参加料金

このイベントは原則有料です。ただし、ARC アドバイザリサービス(AS)会員企業、SIG 会員、デジタル変革協議会(DTC)会員、講演者、パネリスト、ARC およびこのフォーラムのスポンサー企業とその招待者は各社限定枠内で無料で参加できます。製造、エネルギ、サプライチェーン、ロジスティクス、スマートシティなどのオートメーションエンドユーザに加え、メディアスポンサー、ARC と関連する業界関連協会・標準化団体も ARC またはスポンサー無料招待枠内でご登録できます。無料チケットを受け取るには、参加登録時に、適切なチケットタイプをご選択ください。

東京イベントの参加登録者は、8月に限定公開されるネット上のビデオレビューに無料で参加できます。

オートメーションエンドユーザ企業の方は、DTC 会員資格者として8月のオンライン視聴に無料登録できます。DTC はオートメーションエンドユーザ専用のコミュニティです。このコミュニティの詳細については、ARCweb サイトにアクセスしてご確認ください。DTC 参加者はいつでもこのコミュニティから退会することができます。

無料のチケットを受け取るには、(個人メールではなく)ご所属が明らかなビジネス用メールをご登録ください。何らかの理由でビジネス用メールアドレスを登録に使用できない場合は、ARC ジャパンオフィスまでご連絡ください。

それ以外のすべての参加者のフォーラム参加料金は 65,000円(US$495)です。フォーラム開催日の7日前(6月13日)までのお申込みには 32,000円(US$245)の早期割引が適用されます。いずれも請求書を発行いたします。

キャンセルと登録者変更

登録者の変更はいつでも追加料金なしで行うことができます。キャンセルが発生した場合、登録料は、フォーラム開催日の7日前(6月13日)までの場合には、1万円(US$75)の管理費を差し引いた金額で全額返金されます。6日前(6月14日)以降は、50%のキャンセル料が課せられます。参加登録者は、登録料の払い戻しを受ける代わりに、フォーラム閉幕から1か月間すべてのセッションビデオへのアクセス権を受ける選択も可能です。すべてのキャンセル申込みは書面でフォーラム事務局までご連絡いただく必要があります。

ARCの個人情報保護方針

ARCアドバイザリグループは、ARC の個人情報保護方針(ARC privacy policy)および適用されるすべてのデータ個人情報保護法および規制に即して、参加登録者の情報を収集、管理、および共有する場合があることにご留意ください。このフォーラムイベントに登録することにより、登録者はご自身のコンタクト情報が当社のウエブサイトに掲載されているこのイベントのスポンサー企業と共有される可能性があることに同意するものとします。

参加登録が必要な理由

登録された参加者のみがこのフォーラムに参加できます。この参加登録フォームにご登録を完了いただいた方には登録完了のメールが届きます。一度の登録で6月20日の東京でのイベント参加の権利に加え、8月に開催のARC アジアフォーラムの日本語、英語のセッションへのビデオレビュー参加が可能になります。ただし、主催者判断により、当フォーラムに参加登録いただきましても、参加をお断りする場合があり、主催者はその権利を有します。
 

会場案内

KFC Halls & Rooms

所在地:〒130-0015 東京都墨田区横網1-6-1 国際ファッションセンタービル
最寄駅:都営地下鉄大江戸線 両国駅(A1出口)徒歩0分 / JR総武線 両国駅(東口・西口)徒歩約7分

 

講演及びスポンサーシップ

スポンサーシップのお問い合わせは伊東へコンタクトください:
ARC ジャパンオフィス( 伊東  [email protected]

参加登録のお問い合わせは金子まで:
ARC ジャパンオフィス(金子  [email protected]

講演アジェンダ、スケジュール等のお問い合わせその他は甲斐まで:
ARC フォーラム事務局担当 (甲斐 [email protected])